株式会社中村屋様 全社統一視点が在庫の未来を変える! ~需給計画値を見える化し、判断スピードと業務品質を向上~

時代と共に変わる味覚やくらしに合わせて創意工夫し、日々、おいしさをあたらしくしていくことを大切に、企業活動に取り組んでいる
株式会社中村屋様による、φ-Pilotシリーズの導入活用事例です。
出荷予測 需給調整 賞味期限別管理 スマート導入
ご導入前の課題
- 各部門がそれぞれExcelで販売計画・在庫補充計画を管理しており、情報が分断。共有や判断に時間を要していた
- 調整会議の準備やデータ分析に時間を要していたため、対応が後手に回っていた
- 入力や集計など属人的な作業が多く、業務負荷が高かった
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対策と導入効果
- 販売計画や在庫補充計画をシステム内で統合管理し、部門ごとに異なっていた計画値への認識を一本化。共通の指標をもとに迅速で正確な判断が可能になった
- φ-Pilotを活用した週3回の短時間ミーティングで、リアルタイムに状況を確認しスピーディーな判断ができるようになった
- 在庫基準量のマスタ化やExcel入力削減により属人性を低減。東日本エリアだけで年間約1,500時間の業務削減を実現
“バラバラの数字”からの脱却 全社で同じ方向を向くための仕組みを求めて
―― 導入を検討された当時、どんな課題を感じていたのでしょうか?
導入前は、需給調整に必要な数値をまとめて管理する仕組みがなく、生産・物流・営業がそれぞれExcelで別々に計画を立てていました。その結果、部門ごとに数字のズレや調整の遅れが生じ、食品ロスや販売機会の損失につながることもありました。情報共有も容易ではなく、各部門が持ち寄って行う週1回の会議が精一杯でした。特に量販店・百貨店向けの和洋菓子販路は、贈答品中心でアイテム数が多く、同じ商品の入り数違いまで細かく管理する必要がありました。そこに賞味期限の短さや「3分の1ルール」といった商習慣への対応も加わり、在庫や鮮度の管理には相当な負担がありました。さらに、日々の入力や分析にも時間がかかり、肝心な判断や調整に十分な時間を割けていないことも課題でした。現場で工夫して乗り切るのにも限界を感じ、2023年に社内横断の「製販最適化プロジェクト」を立ち上げました。まずは菓子販路を対象に、「バリューチェーン全体の連携を図り需給調整を最適化する」ことを目標に掲げ検討を進める中でφ-Pilotに出会いました。
(左から)ロジスティクス部 企画課課長 井上様
ロジスティクス部 需給調整課 需給調整グループ
石川様・係長 松田様
―― φ-Pilotを選定された決め手は何でしたか?
大きな決め手は、直感的に操作できる“使いやすさ”と、賞味期限や出荷期限の管理など必要な機能が標準で備わっていたことです。複数のシステムを比較しましたが、現場で無理なく使えると感じたのはφ-Pilotだけでした。また、「システム導入が目的ではなく、仕組みを通じてコミュニケーションを活性化することが大切」という考えにも共感し、“現場が前向きに動ける仕組み”として導入を決めました。
“共通管理番号”で意思決定が変わる 会議の質とスピード向上
―― 実際にφ-Pilotを導入してから、どのような変化がありましたか?
一番の変化は、販売動向や在庫状況を全社で“同じ数字”を見ながら共有・判断できるようになったことです。これまでは部門ごとにExcelで管理していたため、数字にズレがあったり意思決定が遅れることがありましたが、 φ-Pilot導入後は、販売計画・在庫補充計画に対して関係者間で共通認識を持てるようになりました。いまでは週3回の短時間ミーティングを行い、 φ-Pilotからリアルタイムに状況を確認し、すぐに判断できるようになりました。販売計画や在庫基準も可視化され、在庫の過不足が発生した場合も分析に時間をかけず、今後の対策検討に集中できるようになりました。新任の担当者からも「悩む時間が減って仕事がスムーズになった」との声があり、現場の満足度も高いですね。正直、導入初期はExcelとの二重管理も覚悟していましたが、一週間ほどでφ-Pilotでの管理に移行していました。直感的な操作性と、全員が同じ指標に基づき計画管理していこうと言う決意が、早期定着を後押ししたと思います。東日本エリアだけでも年間約1,500時間の削減効果を試算しており、効率化の成果も確実に出ています。
ロジスティクス部 企画課 課長 井上様
ロジスティクス部 需給調整課
需給調整グループ 係長 松田様
――導入に際して特に大変だった点はありますか?
一番大変だったのは、出荷日や在庫数、賞味期限といった基礎データの整備ですね。十分にデータ化されていなかったので、関係部門が連携して一から仕組みを作り上げました。この取り組みで社内のデータ基盤が整ったのは大きな成果です。もう一つは意識改革です。今回はカスタマイズなしのスマート導入だったため、従来の業務を見直してシステムに合わせる必要がありました。最初は慎重な意見もあったのですが、検討を重ねるうちに「この業務はやめよう」「こうすればもっと良くなる」といった前向きな提案が増え、現場の空気も変化。結果的に、これまで機械的に進めていた需給調整会議自体が、活性化していきました。
―― 苦労を乗り越えて効果が出始めた今、次のステップとしてどのような展望を描いていらっしゃいますか?
今後は、西日本エリアにも導入を拡大し、全国レベルで販売計画・需給調整の一元化を進めていく予定です。φ-Pilotは、予測精度を自動で上げるツールではなく、意思決定をスムーズにするための“仕組み”です。今後もφ-Pilotを基盤に、全社連携による需給調整の高度化を目指していきます。
ロジスティクス部 需給調整課
需給調整グループ 石川様
| ご導入企業様プロフィール | |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社中村屋 |
| 本社所在地 | 東京都新宿区 |
| 業種 | 和洋菓子・カリー・中華まん等の食品製造・販売、レストランの運営 |
| 従業員数 | 773名(2024年3月時点) |
| URL | https://www.nakamuraya.co.jp/ |
変わらない「おいしい」を、いつもあたらしく。
時代と共に変わる味覚やくらしに合わせて創意工夫し、日々、おいしさをあたらしくしていくことを大切に、企業活動に取り組んでいます。
(写真)株式会社中村屋 神奈川工場
(写真)うすあわせ
(写真)どらやき
事例のポイント
- 需給調整の一元化・標準化
- データ整備と業務DXの推進
- 属人業務からの脱却
- 意思決定スピードの向上
- 部門連携による業務改革

導入ソリューション
出荷予測、需給調整、賞味期限別管理
なお、株式会社中村屋様には、2025年11月27日(木)開催の「需給DXソリューションフェア」内パネルディスカッション「導入はスマート、されど効果は絶大!?スマート導入実態徹底検証!」にご登壇いただきます。導入期間・コスト・効果・運用の持続性など、導入企業が気になるポイントを徹底的に掘り下げます。株式会社中村屋様からも、実際のプロジェクトでの工夫や現場で起きた変化についてお話しいただく予定です。スマート導入の実態や効果にご関心のある皆様は、ぜひ会場で直接お確かめください。イベントの詳細および参加お申し込みは、当社ウェブサイト「需給DXソリューションフェア」特設ページをご覧ください。

